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某月某日、晴天、敵陣は引き下がる所か猫に追い詰められた鼠が最後の足掻きと言わんばかりに猛威を振るってる。
「───畜生ッ！」
足が、足が熱を持って今にも弾けそうなぐらい痛む。コネシマと茶化しあった場所は、この戦場はまさに地獄と化していた。
「我々に許されるのは前進のみ！！ ───⋯⋯覚悟はいいか？」
ラガ曹長がそう笑った後に、1つの空砲を合図に沢山の鉛と、破裂音が空を行き来した。大きな音に鼓膜が破れてしまいそうだった。急いで鼓膜保護用のイヤーマフをつけて、前進の合図をするラガ曹長に匍匐前進でついていく。
特攻部隊のやることはただ1つ、遊撃隊の横を横から進みその身1つで敵陣に突っ込み、破壊すること。
コネシマのお喋りも今回ばかりは鳴りを潜め、ただ黙って他の者と同じように匍匐前進を進めていた。
『前方に敵の塹壕を複数発見。5秒後、突撃する。構えろ』
軍学校での教えが初めて役に立った。一番最初に教えられるジェスチャーでの合図と命令、ラガ曹長は敵を発見して興奮しているのか瞳孔が開いて様子がおかしい。
というより、ずっと初めの方から部隊全体が何かおかしいのだ。無駄に元気というか、犬のように息をして、瞳孔が開き、汗をかいている。コネシマもおかしいと気付いのか、私の目をみて分かりやすく「(なんか変ちゃうか)」と言いたげな顔をした。
しかし下っ端も下っ端の私たちに前進を命令する曹長に何か言えるはずもなく、黙ってついていくしかない。
敵の塹壕の手前、あ、と声を出すよりも先に部隊の仲間たちが、曹長が敵陣に身を乗り出してなりふり構わず銃を振り回すまでは私もコネシマもこの異常さに気付けなかった。
薬だ。
この部隊、私とコネシマ以外皆薬をやってる。
そうじゃなきゃあんな風に笑って敵の首に噛み付いたり、引っ掻いたり、野生動物のような戦い方をしたりしない。撃たれようとまたゾンビみたいに立ち上がって、戦ってる。正直いって気味が悪い。
「ああまでせんと、この戦場には立てへんってことか」
「最悪……」
本当に最悪だ。
これじゃ私たち含めて、何人生きて残れるか分かったもんじゃない。
ラガ曹長が興奮して雄叫びをあげたせいか敵からの注目を集め、脳天を抜かれてしまい微動だにしなくなったあたりから私はどうするべきか頭を回し始めた。
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臓臓臓(プロフ) - 早桃さん» コメントありがとうございます！ゆっくりではありますがまちまちと更新していきますのでこれからも何卒よろしくお願いします！ (5月8日 5時) (
レス) id: 982e9ff04d (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - めちゃくちゃ好きな作品だ！作品の雰囲気とか作者さんの物語の描き方とかもう全てが好きです💖これからも無理せず更新頑張ってください！応援しています📣次の更新楽しみ！ (5月4日 9時) (レス) @page48 id: a1ce5d49cc (このIDを非表示/違反報告)
臓臓臓(プロフ) - モモモさん» コメントありがとうございます！！ 構想してたものをようやく見せることができて嬉しいです！のんびり更新ではありますが何卒ご愛読頂けますよう頑張って参ります〜！ (5月4日 1時) (レス) id: 982e9ff04d (このIDを非表示/違反報告)
モモモ(プロフ) - 最新話読みました...タイトル？回収最高です！手叩いて喜んじゃいました！本当に文章で魅せるのがお上手すぎてびっくりしちゃいました。更新楽しみにしてます！ (5月3日 22時) (レス) id: de8d799915 (このIDを非表示/違反報告)
臓臓臓(プロフ) - 無案のむあんさん» 嬉しいですー！！！意識してるところをたくさん褒められるの嬉しいです！これからも何卒ご愛読お願いします！ (5月2日 2時) (レス) id: 982e9ff04d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：臓臓臓 | 作成日時：2024年1月5日 8時
