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「夜に何の騒ぎかと思ったら……ゾム…お前やったか。」

「まさか、俺の部屋のドアを蹴り飛ばしては…メイドを抱えて部屋に来るなんて、斬新すぎるやろ。」





慣れている事かのように、平然とコチラに目を向け

書類を片手に眠い目を擦りながらも

少々、呆れながら話すお方は…"書記長のトントン様"だ。





「なぁトントン〜!!今日から彼女を、俺の専属メイドにして欲しいんよ!!」

「頼む!!一生のお願いを使うから!!な?な?」






彼は、自身の腕に自分を抱えている事を

さては…忘れているのではないか?



彼に横抱きされたまま、身動きもろくにとれない…

更に、近くにトントンさんの声という事は

私はきっと幹部達の会話の真ん中に

無言のまま放り込まれているのだろうと。





ゾム様の一方的な会話を聞き終え

途端に漂う沈黙の空気…

トントン様は、恐らく突然の事に目を丸くしているのだろう。





「君…正気か?ゾムの専属メイドは、大変やで。」

「今みたいに、思い立ったら動いとるし…ドアを蹴り飛ばしたり…重要な書類を踏んで破ったり…。」





彼が何故、私を専属のメイドにしたいのかは

未だ分からないが、せっかくお声がけをしてもらえたのだ

この話を断る理由が、今の私にはない。





『問題ありません。全て、承知の上です。』

『なので私を…ゾム様の専属メイドにさせてください。』






自分の言葉を聞き終えた後、大きく息を吐き

服の擦れる音…

恐らく、手を挙げて何処かを指しているのだろうか?





「……ドアの修理費。」

「俺の部屋のドアの修理費。ゾムが自分で払って直してくれるんやったら、ええよ。」





その言葉の意味は、所謂遠回しであるが

"了承した"と言う意味に変わりはない。




「…!!ホンマかトントン!!ええんやな!」

「もちろん直す!!…俺の自腹で完璧かつ綺麗に直したる!!」



『わっ!!…その、ゾム様?!』




横抱きしていた自分を、ゆっくりと優しく降ろし

勢いよくギュッと彼に抱きしめられる感覚。



驚いた…

これが、彼なりの喜びの表現なのだろうか?






「俺…めっちゃ嬉しいわ!!今日から頼むで!」

「そうやな!!先ずは自己紹介からやな!」





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HiNaTa/ひなた - あれ?目からバブルのたきが〜))…うわーンあ一わ一んうえ−ん (3月31日 8時) (レス) @page44 id: 46cf81a59e (このIDを非表示/違反報告)
さくさく日記(プロフ) - 初めましてさくさく日記と申します。完結おめでとうございます。今日こちらの作品を見つけまして最後まで通しで閲覧させて頂きました。物語の構成もですがそれぞれの人物の心理描写や流れがとても素敵で泣いてしまいました。本当に素敵な作品をありがとうございました。 (3月21日 22時) (レス) @page44 id: fce70f8179 (このIDを非表示/違反報告)
あずは(プロフ) - 号泣してしまいました😭素敵すぎます、!! (3月17日 22時) (レス) @page44 id: 0a871c975d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:riyana | 作成日時:2024年2月29日 19時

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