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『……………。』




大人になりつくづく思うが…

今でも、彼へ惚れた理由は軽薄であり曖昧なままである。



しかし感じたのだ、幼い自分でも分かる確かな想いと

胸の高鳴りが確かに自分の中に…存在したのだ。



理由なんて分からない…だが"一目惚れ"というのは

言葉では表現できない程の、ほんの一瞬の出来事

瞬きのような…感情の揺れを感じるのだ。





もしかしたらまた、彼と出会った帰り道の民家の前で

偶然に会えるかもしれない。


また、ふらっと自分の前に現れるのでないかと

淡い期待を持っていた幼い自分が、懐かしく感じる。




結局は、大人になった今でも

彼に会う事は叶っていないのだから。





今思えば、せめて彼の名前ぐらい聞いて欲しかったと

過去の自分に文句を言う事しかできないが…


淡い記憶の中に存在する彼の特徴と、最後にもう一つ





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「…君の瞳、俺の見た海みたいに綺麗な青色やな。」




_彼は"海"を見た事があるそうだ_






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自分が住む国は"海"に全く面していないのである

歩いたら、一体何日かかるのであろうかと…

考えるだけで、疲れてしまうほどの距離である事はわかる。



それに加え、今でも各地では"戦争"が勃発しており

近々に、私の住む国も巻き込まれる可能性があると

住民の中では噂が立っていた。



その為…いつ此方に被害が来てもおかしくない

そんな状況も重なり、国境を越える住民達の移動は

規制をされてしまった。








その中でも私の夢は…

彼と出会ったあの日から変わらず、無事に戦争を終えた後、いつか自分の足で海に行く事であり




_海に行けば、もしかしたら彼に会えるのではないか?_





馬鹿だとは分かっている、意地っ張りでもある

でも、どうしても希望は捨てたくなかった。



そんな馬鹿みたいな淡い期待を

今でも捨てずにはいられないのは…

何処か、私の中に少しだけでも"子供心"が

残っているせいなのだろうか?



それとも、それ程までに

彼への想いが…わたしの中で強かったからだろうか?



「まぁ…また、いつか会えたらええな。」





…嗚呼、そうだ。



そんな彼の言葉を信じ、夢みたいな甘えた心を持って

彼を待ち続けていられる人生であればよかった。





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HiNaTa/ひなた - あれ?目からバブルのたきが〜))…うわーンあ一わ一んうえ−ん (3月31日 8時) (レス) @page44 id: 46cf81a59e (このIDを非表示/違反報告)
さくさく日記(プロフ) - 初めましてさくさく日記と申します。完結おめでとうございます。今日こちらの作品を見つけまして最後まで通しで閲覧させて頂きました。物語の構成もですがそれぞれの人物の心理描写や流れがとても素敵で泣いてしまいました。本当に素敵な作品をありがとうございました。 (3月21日 22時) (レス) @page44 id: fce70f8179 (このIDを非表示/違反報告)
あずは(プロフ) - 号泣してしまいました😭素敵すぎます、!! (3月17日 22時) (レス) @page44 id: 0a871c975d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:riyana | 作成日時:2024年2月29日 19時

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