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『ゾムさん?…訓練の時間がそろそろ近付いておりますが…。』

「んふふ!…Aをどうしても連れて行きたい所があるんよ!…遅刻したらその時はしっかり謝るから!!な?な?」




時間が近付いているとは言うものの、私は今

彼の背中に乗り…移動をしているのだから

今更引き返す事も、何も出来ないのだが。



昼食を終えた後、彼から唐突に手を引かれ

"背中に乗ってや!"と、言われたのが今回の始まり。



"連れて行きたい所"…どうやら到着までは

彼は話したい気持ちを抑えに抑え、

頑張って秘密にするようである。





『…ええ。怒られた時は…私も一緒に謝りますよ。』


「……っ、しっかり掴まっとるんやで!遅刻回避のた為にスピード上げるで!!」





初めての彼の颯爽と駆け抜けるスピードに

心底驚いては、怖がっていたのが懐かしく感じる。

今ではすっかり慣れてしまい、吹き抜ける風を

心なしか1人、楽しみにしているまでになったのだから。




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「…よし!到着や!!…降りる時は足下に気をつけてな?」

『ゾムさん。お気遣いありがとうございます。』




気付けば私達は、賑わう城下町をも飛び出し…

飛び交う人々の声が一切聞こえない程の

静かな場所へと到着したようであった。




一体、ここは何処なのだろうか

あまりの静けさに、全く予想も何もつかないのだ。


強いて言うのであれば微かに…

"花の甘い香り"がするようにも感じる。





「実は…!Aの目の前には、一面の花畑が広がっとるんよ!!」

「偶には、こうして堅苦しい館内から離れてな!外の空気を吸うと、気分転換になるかな…と思ってな!」




「あと…これ!ちょっと歪やけど…Aにプレゼント!!」




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『…!!これは、花冠…でしょうか?』




そう話し、頭に優しくのせてもらったのは"花冠"。


確かに、彼の話す通り形は歪であるのは分かるが

…私からしては、歪さなど関係ない。

彼が、一生懸命自分の為に作ってくれたのが

何よりも嬉しかった。





「…これから、限られた場所になるけど…訓練前に沢山の景色を見に行かんか?」

「…もう直ぐ、"戦争"が始まる。そうしたら、中々Aにも会えへんからな。」




まただ、ギュッと胸が痛む感覚。

貴方が遠くに行ってしまう、何故だか

それが怖く感じてしまった。


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HiNaTa/ひなた - あれ?目からバブルのたきが〜))…うわーンあ一わ一んうえ−ん (3月31日 8時) (レス) @page44 id: 46cf81a59e (このIDを非表示/違反報告)
さくさく日記(プロフ) - 初めましてさくさく日記と申します。完結おめでとうございます。今日こちらの作品を見つけまして最後まで通しで閲覧させて頂きました。物語の構成もですがそれぞれの人物の心理描写や流れがとても素敵で泣いてしまいました。本当に素敵な作品をありがとうございました。 (3月21日 22時) (レス) @page44 id: fce70f8179 (このIDを非表示/違反報告)
あずは(プロフ) - 号泣してしまいました😭素敵すぎます、!! (3月17日 22時) (レス) @page44 id: 0a871c975d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:riyana | 作成日時:2024年2月29日 19時

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