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#14 ページ14

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道中、ポキくんと話すのは楽しかった。

彼は色々な話題を振ってくれたし、私のするどんな話も楽しそうに聞いてくれた。

ポキくんと過ごす時間をいつしか、終わって欲しくない、と思うようになっていた。

自分の中で彼の存在が、どんどん大きくなっていく気がして。



スーパーの店員さんに許可を貰って分けてもらったダンボールを、二人で持って学校に戻る。

大きくて持ちにくいものを率先して持ってくれるポキくん。

申し訳なくなるくらい優しい。
好意に甘えて、私は軽めのものを両手で抱えた。

教室の前まで来ると、閉まっている扉の前で「開けてー!」と声をかける。

教卓に座っていた男子の一人が駆けつけてきて開けてくれた。

「A、好きなの飲んでいいよ」

彼は私からダンボールを受け取ると言った。

彼の示す先を見ると、誰かの机の上にコンビニの袋が置いてあった。

中を覗いてみると、抹茶ラテやらタピオカやら他にも色々な飲み物が入っている。

「いいの?」

「うん、暇になったからさっき買ってきた」

「ありがとう!」

彼に笑顔を向け、袋を漁った。
紅茶ラテ……これにしよう。

「俺の分は!?」

ダンボールを下ろしたポキくんが彼に問うた。

「ポッキーは有料だけど」

「何でだよ!」

軽口を叩きあった後、ポキくんがこちらにやって来た。

私は彼が見やすいように袋に入っていたものを机に並べる。

「A、何にしたの?」

私は「これ」と、手にしていた紅茶ラテを見せる。

「お洒落だなー。 お洒落なもん選ぶなー」

「ふふふ、これ好きなんだ」

と、ストローを取り出して飲み口に挿した。

「じゃあ俺これにしよ」

そう言って彼が手にしたのは抹茶ラテ。
私の選んだ紅茶ラテと同じメーカーから出ているものだ。

「色違い」と、嬉しそうに笑うポキくん。
屈託のない笑顔に心をくすぐられる。

「イチャつくな」

れんくんが笑い、窘めるように言った。

「Aのこと好きなのバレバレだぞ」

彼はさらに続ける。

冗談めいた口調だけど、ポキくんは慌てた様子でれんくんの口を塞いだ。

「バカ! バカれん! れんのバカ!」

怒っているような焦っているようなポキくん。
でも……、れんくんの言葉、否定しなかった。

思わずポキくんを見つめていると、目が合った。

心の中が透けてしまいそうで怖くて、直ぐに逸らした。



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作者名:小桜ふわ | 作成日時:2019年9月6日 17時

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