検索窓
今日:30 hit、昨日:1 hit、合計:43,393 hit

#21 ページ21

.



翌日の放課後も、集まったのは変わらず私とポキくんとれんくん。

今日は昨日残ってくれた男子たちは部活があるみたいで、申し訳なさそうに出て行った。

けれど、この二人と過ごす時間は楽しいから、全然平気だ。

当日までまだ余裕もあるし、のんびりやることにする。

「あと……何だっけ」

ポキくんが、壁に立てかけてある、昨日作った内装をちらりと見てから首を傾げた。

「あとはメニューと、外装と、色々細かいところかな」

リメイクシートも余っているし、外装も内装と同じように大きなダンボールにレンガ柄を貼ることにしよう。

あとはカフェらしく庇を作ったり、看板を作ったりといったところか。

内装は、あと風船やガーランドを足したりして、それからフェイクグリーンを飾る。

……という旨を二人に伝えると、二人は直ぐ様賛成してくれた。

「外装は人数欲しいから後回しでいっか。
とりあえずメニュー優先だね」

れんくんが言って、自身の鞄をごそごそ漁った。

出てきたのは1枚のルーズリーフ。
昨日男子たちが手にしていたメニュー案のメモ用紙だ。

「お!」

ポキくんがれんくんに駆け寄り、ルーズリーフをぱっと彼の手から抜き取って見つめた。

私もポキくんの持つそれを見る。
れんくんの、ちょっと崩した文字が並んでいた。



──────────
・飲み物
コーヒー、紅茶、オレンジジュース、コーラ、ファンタ、カルピス
・お菓子
クッキー、シュークリーム、エクレア、ケーキ系
──────────



「いいねぇ」

ポキくんが言う。 私も、うんうんと頷いた。

ルーズリーフに目を落としていて気づかなかったけれど、私たちは結構近い距離にいたみたいだ。

買い出しの前、一緒にメモを見ていたときのことを思い出して、小さく笑ってしまった。

ポキくんもそうだったのか、同時に笑って、顔を見合わせる。
その笑顔に、心が暖かくなった。

「すーぐイチャつく」

傍らで見ていたれんくんが茶化してくる。
そう見えるのか、とちょっとドキドキした。

ポキくんは前のように焦ったりする様子もなく、ただただはにかんでいる。

だから余計に、私の鼓動は速くなった。



.

#22→←#20



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (83 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
113人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:小桜ふわ | 作成日時:2019年9月6日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。