【d!】画面越しの愛してる【短編集】 (ページ15)

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あいつには毒がある＿syp ページ15

※軍パロ

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syp side

新しくここの遠距離部隊に入ってきた Aという女は自分より年下である上に新兵のくせして腕がいい。どこかで兵をやっていたのではないのかと思うくらいに。

弓やスナイパーライフルはもちろんお手のもの。中距離武器であるアサルトライフルや刃の長い剣やって軽々と使いこなし、すべてを自分のものにする。

コネシマさんやゾムさんをも魅了してしまう、美しい剣さばき。踊り舞うように敵を薙ぎ倒すAはまるで花のよう。嫉妬すらさせない熟練された動き。

そこまで剣などを使えるのに、何故遠距離部隊に入ったのか分からない。

もしかしたらと思いロボロさんに履歴や出身を探ってもらったって、何も怪しいものは無い。逆に怪しく見えてくるほどに何も無かった。

本人に探りを掛けてみても…

『出身地ですか？もちろんここですよ！』

『ショッピ隊長に憧れて兵になったんです！銃も弓もここに入る為だけに練習したんです！！なので、遠距離部隊に入れてすごく嬉しいです！！』

…当の本人はへらへら明るく受け答えするだけで嘘をついているような態度や言葉などは無い。

しかも、俺を慕っていると見た。遠距離部隊に入る為だけに、弓などを練習したと。

… ちょっとだけ毒気を抜かれてもうたな。

ほんまにただ超有能なだけの一般兵なんか？
　
　
　
　
　
　

　
「おい、お前。お前女のくせに調子乗っとんのやろ。」

『な…！？別に、調子に乗ってなんか…！』

「どうせショッピ隊長に身体でも売ったんやろなw 女はいいよなあ！そうやって身体売れば階級でも何でももらえるんやから！！」

練習も終わり、夕方。飯でも食いに行くかと廊下を歩いていたら、数人の男の兵に囲まれているAを見つけた。

『馬鹿にしないでください！！身体なんて売ってません！！すべて私の実力です！！！！』

「ショッピ隊長もショッピ隊長やろ。なんでこんな弱っちい女を兵にしたんやろな」

「あの人見る目ねえよな～、俺やったらもっと強そうな男入れるわ」

よくある女と年齢差別。ここは実力主義なんやから、女だろうが男だろうが若かろうが強ければいいというのに。こういう差別が無くならないのも事実。

プライドだけが無駄に高いやつがいるからあかんのやろな。後であいつらは処分確定やな。

怒鳴り声も大きくなってきて、そろそろヤバイかと思い止めようとした時。