お前は誰だ? _zm ページ17
※軍パロ
※恋愛要素無し
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zm side
『お初にお目にかかります。先日幹部に昇格となりました、Aと申します。これからどうぞよろしくお願いいたします』
丁寧な挨拶と、ゆっくりとしたお辞儀、ぴしりと正しくキマっている軍服、キリリとした姿勢。
礼儀正しいやつは嫌いやない。だがそれらを打ち消すような あまりにも怪しい にんまりとした微笑み。見定めるような視線をしている目。
第一印象は、「こいつ嫌やな」やった。
幹部の中で ただ1人の紅一点。女性にしか出せないような、柔らかく軽やかな動きで相手を圧倒する。さすが幹部になれただけあって、その実力は半端なものではなかった。
その軽やかな動きに きらきらと憧れる兵士もいた。ただ、あいつのにんまりとした笑みと視線に駆られるたびに、
「あいつに教わるのはやめておこう」
となる兵士が全員であった。
個人的に俺が嫌やったんで、あいつをダクトから追って、何をしているのか監視をしてみた。足音も物音も立てないよう、完璧に追っていたのにも関わらず、あいつは
『ゾム様、何かご用でしょうか? そんなに熱く見つめられてしまうと 私の頭に穴が開いてしまいます。』
「…ケッ、何もないわ」
『そうでしたか。では失礼します』
…俺の場所をくるりと見上げ、監視していたことをバラしやがった。元から気づいてたんか? …何なんあいつ。
あまりの怪しさから、密かにロボロが情報を集めていた。しかし いくら紙の束が連なろうと、あいつの怪しさの1つなど出てきやしなかったようで。
その上、
『ロボロ様、勝手に色々調べられるのは 少し体がそわそわしてしまいます。私について気になる点があるならお答えできますので、どうかこそこそするのはお辞めくださいまし』
とインカム越しに言われたらしい。
………アー、あまりにも怪しすぎる。
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作者名:さき。 | 作成日時:2023年7月13日 14時