手を取れ ＿gr※※ ページ24
※軍パロ
※ぐろ表現注意
※虫注意
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A side
薄暗い明かり、湿った空気、錆びた鉄格子、固まった血、吐きたくなるくらいの死臭。拷問室らしい拷問室の姿。
いくつもに並べられた牢屋、私の入っている部屋の1つ隣には、放置されて 既にぐちゃぐちゃに成り果ててしまった死体が残っている。
どこから入ってきたのか、蠅が何匹も飛び回っている。眼球を中心として 蛆虫が腐った体の至るところを這いずり回っている。
とんでもない死臭を嗅いでしまう度、ぐちゃぐちゃになった死体を視界に入れてしまう度、蠅の飛び回る音を聞いてしまう度に、喉まで胃酸が這い上がってくる。
鎖に繋がれて動くことも出来ないため、この場を汚したくないよう 頑張って飲み込んでいるが。
拷問後の死体くらい処理したらいいのに。あそこまでどろどろになってしまったら、片付けるのも大変そうだ。
ああ、もう既に拷問のようだ。こんな部屋に何時間も閉じ込められるだなんて。
時々虫が私の体を這うし、臭いし、何も聞こえないし、光も無い。今にも気が狂いそうだ。どうしてここまで気を保っていられるのか分からないくらいにおかしな空間。
耳鳴りがずっと聞こえて頭が痛い。また胃酸が喉まで上がってきて、少ない唾と共に こくりと飲み下した。
いつまで待てばよいのだろう。スッカリぬるくなった体温を抱きしめて 眠ることができればよかったのに。
＿突如、重たい扉を開ける音と、高い足音が鳴り響いた。耳鳴りとうざったらしい羽の音だけしか聞いていなかった私には、それがとても新鮮に聞こえた。
「ウワッ、くっさ！！ なんでお前死体処理せんかったんや！！ これ片付け大変やぞ！！」
「ゲェ、忘れとった… ほんま最悪や…」
「こっちのセリフだよバカが！！」
口論しながらこちらに向かってくる足音と声。聞いたことのあるバリトンボイスに、この前見た姿が瞼の裏に映し出された。
「おっ、いた。ヤァヤァ、元気にしているか？ 総統サマが直々に来てやったゾ」
前に見た姿とは ホンの少し違っていた。肩に掛けていた 黒いコートのような、マントのようなものを外して、少しだけ楽そうな服を着ている。
「改めて自己紹介をしておこう。俺が この国を統治している グルッペン・フューラーだ。ンで、この男がゾムな」
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作者名：さき。 | 作成日時：2023年7月13日 14時
