【d!】画面越しの愛してる【短編集】 (ページ4)

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「エ、何お前、ストーカー被害あってん？俺知らんかってんけど！なんで相談してくれへんの！？」

『だって、ゾムに相談しても何も変わらないじゃない… 相談して、心は軽くなるかもだけど』

ゾム。私の唯一の男子友達。人懐っこくてよく食べる。育ち盛りの男子らしい食いっぷりだが、さすがに食いすぎなんじゃないかとも思う。

どうやら先生に相談していた内容を聞かれてしまったらしい。ベタベタと絡まれている。

「俺とお前、帰る方向一緒やん。A1人やから狙われんねん。俺が一緒にいればストーカー野郎も近づいてこうへんて！」

『あー… いや、まあ、うん… そうだけど』

「仮に、もしストーカー野郎が攻撃してきたとしても、俺がいるなら心配あらへんやろ？な！今日から一緒に帰ろや！！」

『分かった！！！分かったからくっついてこないで！！！』

本当にこいつはかまってちゃんで困る。そういうところが人気なのかもしれないが、正直うざったい。ぎゅうぎゅうくっついてくるゾムを剥がして、自分の教室に戻った。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
ゆうやけこやけ。

隣を歩く、好いている女はひどく無防備で。俺を信頼してくれているからこその無防備なんだろうが、それじゃああまりにも心配やな。

やっぱり、帰り道は俺がついてないと… なあ？

行きはよいよい、帰りは怖い…

だあれもいない電柱にベッと舌を出した。

【恐怖(きょうふ)】

・恐れおじること。恐ろしく感じること。また、その感じ。