【d!】画面越しの愛してる【短編集】 (ページ7)

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向日葵の中のラーニング＿os ページ7

※異世界パロ (異主役ではない)
※年齢操作

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A side

私は動くのが好きだ。たとえ寒くても暑くても、体を動かせずにはいられない。そのせいで風邪を引いてよく怒られたりする。それでも動くのが好きだ。

一方彼は運動系ではない。年頃の子供のように外で駆け回って虫取りをするような少年ではない。

美しい薔薇の咲く庭園の中、ガゼボの下で優雅に、おしとやかに、ゆったりと、アフタヌーンティーを食むのが似合う少年だ。

それは実際そうであって。だがしかし、今は薔薇ではなく向日葵畑の中であるが。

「…そんなに俺のこと見つめてどうしたん？もう、照れちゃうめう」

『照れてないよね』

じりじりと肌を焦がす日光を麦わら帽子で弾きながら向日葵畑を走り回る私と、ガゼボの下で冷た～いアイスティーを嗜みながら休むオスマン。

きゃっ！と言いたげに頬に手を当て、語尾を付けて可愛い子ぶる彼は男だ。私より、可愛い。

『オスマン、一緒に遊ぼうよ。私1人じゃさみしいよ』

「え～、お肌焼けるから嫌めう。Aはよくこんなクソ暑い中走り回れるよな～」

そう言ってティーカップを傾ける。既に私の肌はキツネ色に輝いていて、日に焼かれていない彼の肌と比べると大違いだ。

『日焼け止めは？』

「塗ってんけど、あっつい中で走りたないわ。汗かくの嫌いやねん」

カチャッと彼はカップを置いた。太陽を見上げる、細められている彼の目が、さらに眩しそうに細められた。その後にため息をついた。

「ほら、Aもそろそろ休み。熱中症なったらたまらんからな」

私専用のカップに、冷やされているアイスティーが注がれる。さらさらと注がれたアイスティーの水色(すいしょく)が、オスマンの髪色にそっくりだった。

ダージリンの爽やかな香りが鼻をくすぐる。この時にしか飲めないダージリンのアイスティーが、私は大好きだった。

きっとオスマンもそれを知っていて、だからダージリンのアイスティーにしたんだと思う。

私のカップと、いくつかのスコーンをお皿に乗せて差し出した。帽子を脱いで、オスマンの前に座って、アイスティーを飲む。

それからオスマンと、くだらなくて世間的なお話を喋るのだ。いつものことになっていた。