投げた斧の行方 ＿gr※ ページ9
※人狼ゲームパロ
※流血表現 注意
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gr side
靴にべったりとくっついた血を、レッドカーペットで乱雑に拭い、足元に転がる 息のしていない肉塊を強く蹴り飛ばした。
こいつもたいして美味くなかった。さっき喰ったやつもそうだが、マズイやつが多いらしい。明後日の方向を向いた目玉を斧でくりぬき、踏み潰した。
口内に残る マズイ肉塊特有の苦味と酸味、歯にこびりついた 肉を噛みちぎる食感。何かで口直ししたいものだな。
俺が最後に残した獲物、A。
切り開かんでも分かる 艶々とした肌、潤んだ目、ほどよく肉がついている 健康的な身体、そしてとびきりの笑顔。
あれはもう、とんでもないご馳走だ。稀に見る クソ美味い身体の持ち主だろう。
甘美なる血肉を確実に喰らいたいがため、俺が出せる全力で白アピールをし、白アピールをし、さらに白アピールをして Aの信用を勝ち取った。
あの中では一番に信用されていただろう。信用していたはずの白である人物が、まさか黒で しかも人狼だとは思うまい。
1人ずつ1人ずつ白民族が減っていき、やがて俺とAだけになった。静かになった村の中、Aは怯えたような声で誰かを呼んだ。
『エ、うせやん…、… エ… ロ、ロボロ？ シッマ…？ トン氏…？ グルさん…？』
「俺はいるゾ。」
『グルさん！！！！！ 生きとったかア！！！！』
「うるせえな。…え、もしかしてAしかおらん？ 嘘やろ…」
我ながら名演技だ。少しだけ震えた声を出すことによって、あたかも本当に自分が白で、見えない人狼に怯えているように聴こえているはず。
『これ絶対潜伏大先生やろ！！！潜伏しとんのやろ！！！PSで敵わんから潜伏して殺そうって魂胆やろおい！！！おい大先生出てこいや！！！』
大先生はとっくに死んでいる。あれは俺が喰ったからな。まっさらさらな白なんに なんやかんやで黒認定されててカワイソーに。
「いやあマジかあ…… これ潜伏はマズいぞ…」
『ナ、ナアグルさん…… 合流、合流しようや… 怖いんよ1人じゃ… 助けに来てえや… 2人なら絶対勝てるやろ…』
＿キタ。俺はこの時を待っとったんや！
「ええで。どこおる？ 俺そっち向かうわ」
『今あれや、あのー… あれ、3階の一番端っこの部屋… イモっとるよ早く！！大先生来る前に早く！！！』
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作者名：さき。 | 作成日時：2023年7月13日 14時
