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俺は今、どうしようもなく好きな人の家のキッチンにいる。
そのどうしようもなく好きな人は、すぐ横に、ほんの少し手を伸ばしただけで触れられる距離にいる。
はぁ、どうしよう。真っ白ですべすべの肌が綺麗だ。

大好きだと思わず叫びそうなほど脳が興奮している。
が、ここは冷静に。守りに入らず、攻めの姿勢で。
ワンランク上の男になるためだ。あばよ、シャイ岡。達者でな。



「出来上がったら呼ぶし、テレビとか見ててええよ?」

「うん、ありがとう。でも神ちゃんが作るところ見てたいんよね。というか、一緒に作りたい。」

「彼氏みたいなこと言うやん。」

「……彼氏に立候補、しちゃおっかなぁ。」



やるやん、俺。やれば出来るやん、俺!
てへ、と冗談っぽく舌を出してしまったが、それでもいい。上出来だ。
俺は今、確実に成長している。

調理中の彼を盗み見る。エプロン姿がド級に可愛い。
格好良さを全面的に出したい男気溢れる彼が、エプロン。俺をどうしたいんだ。

油で汚れるから脱ぐわ!と上裸でされてもそれはそれで困るのだが、エプロンは反則だ。
過去に数回見たことはあるが、今はまた少し違って見える。
俺のためだけに料理をし、そのためだけに着用している。
紛れもない事実。それだけで200倍可愛い。
あ、今度フリフリリボン付きのエプロンとかプレゼントしてみようかな。
さすがに着ないかな。いやでも絶対可愛いよな。下心しかなくてごめん。



「下ごしらえとかしてたし、すぐ終わるから。しげはご飯よそってくれる?」

「はーい。お茶碗これでええの?」

「そうそう。それと、これ。しゃもじ。」



必殺、ノールックしゃもじ渡し。
何かもう付き合ってるんじゃないかと思ってきた。メンバーだから当たり前なのに。



「ん、できた。おまっとさんでーす。」

「うっわ、うまそ。はよ食べたい。」

「俺この辺ちょっと片付けてからそっち行くわ。」

「じゃあテーブル持って行っとくな。」

「よろしく。あ、お茶いる?水とかコーヒーとか色々あるけど。」

「お茶貰っていい?冷蔵庫開けて良いなら俺が注ぐわ。」

「ほんま?じゃあそれも頼もっかな。」



ナイスコンビネーション。付き合っているどころか最早結婚しているのでは。
……いや、普通か。どこまでも普通だ。冷静になれよ、俺。
何がワンランク上の男だ。ここまでずっと普通だ。

もう0.5ランク上でも良い。少しでも格好良い俺を見せたい。




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かみ(プロフ) - 蒼乃碧さん» はじめまして!コメントありがとうございます^^ 初投稿なのでグダグダかもしれませんが、お時間があるときにでもまた読みに来てくださいね! (3月30日 21時) (レス) id: 39c448f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - 初めまして!かみしげでシゲがこんなに可愛いの好きです!続き楽しみにしてます^_^ (3月29日 15時) (レス) @page3 id: d378d34ad2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かみ | 作成日時:2024年3月29日 8時

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