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「……そんで俺に頼ってきたと。」

「助けてくれ、流星。頼む。」



同期に助けを求める為に、帰宅後に電話をかけた。
そんなことでかけてくんなよ、と言いつつも長男気質の彼は相談に応じてくれる。



「もう好きって気付いてそうやけどな、神ちゃん。」

「なぁ。小瀧は気付いてないって言うし、お前は気付いてるって言うしどっちなん?」

「知らんわ、神ちゃんに聞け。」

「聞けるかぁ!」



どうしたらええねん、と枕に頭を突っ伏す。
多少アルコールが入っているであろう流星から、救いの一言。



「神ちゃんにしげのことどう思ってるか、それとなく聞いたろか?」

「え、まじで?ていうかお前そんなん出来んの?」

「出来るわ。お前より恋愛経験あんねんぞ。」

「え、それ関係なくない?俺にマウント取りたいだけやったよな?」



でも、多分神ちゃんは流星の顔を見ると素直に話すはず。知らんけど。
一向に進展しない俺の恋愛に痺れを切らした流星が、ウジウジしてたら他の人に取られんぞ、と一言。



「神ちゃんって好きな人おると思う?」

「え、どうやろ。まぁ、俺の顔は好きやんな。」

「お前ほんま、電話で良かったな。対面やったらシバいてた。」

「おー、怖。」



一人でゲラゲラ笑う流星は、程良くアルコールが回ってきているのだろう。
酔っ払いと話していても仕方がないと思い電話を切ろうとすると、



「あ、でもこないだしげのこと格好良い言うとったで。」

「…………まじ?」

「うん。ツアーの練習で汗だくになって踊ってるとき。かっこええなぁ、言うてたわそういえば。」

「もっとはよ言うてくれよそれを。」



そこから五分程しょうもない会話をして、電話を切る。
神ちゃんが、俺のことを格好良いと言っていた。
どうしよう、嬉しすぎる。明日の練習、めちゃくちゃ張り切ってしまう。
嬉しさのあまり、ベッドの上で足をジタバタと動かす。
こうでもしないと嬉しさを発散出来ない。あぁ、生きてて良かった。








「聞いたで。どう思ってるか。」

「何て言うてた?」

「ええメンバー持ったと思う、やと。」

「……ただのメンバーやん。シンメとも言うてなかったん?」

「もう俺はお前が可哀想になってきた。」



後日、練習前に聞かされる事実。慰めるように肩をポンポンと二回叩かれる。
小瀧と同じことすんなよ。
上手くいかなすぎる自分が可哀想になってきた。
もう格好良いと思われたらそれで良いと、この恋を諦めかけていた。





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かみ(プロフ) - 蒼乃碧さん» はじめまして!コメントありがとうございます^^ 初投稿なのでグダグダかもしれませんが、お時間があるときにでもまた読みに来てくださいね! (3月30日 21時) (レス) id: 39c448f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - 初めまして!かみしげでシゲがこんなに可愛いの好きです!続き楽しみにしてます^_^ (3月29日 15時) (レス) @page3 id: d378d34ad2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かみ | 作成日時:2024年3月29日 8時

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