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そんな師団室ととてもじゃないが呼べないような、子供のおふざけで作られたような部屋の中央。ぱっと見、職員室のお古のデスクのように見えるそれの置かれた一空間が、特に異彩を放っていた。
『な、なにそれ⋯⋯』
「ようやく出てきた一言がそれか」
ショッピくんのぼそりとした声は、狭いこの部屋でははっきりと反響し、呆れの色を濃く映し出す。きっと私の驚愕も同じように鮮明に伝わっているのだろう、チーノくんはどこか愉快そうに跳ね、椅子の後ろへと回り込んだ。
「こちらは我らが団長、グルッペンさんの玉座ですよ！バビルスを支配する予定の大悪魔様が、いつも腰掛けていらっしゃるんです。どう？立派やろ？」
『立派というか⋯⋯悪趣味』
「ぶっ」
「ぶっ⋯⋯あっはは、超正直な反応！」
2人は顔を見合わせると同時に吹き出す。いつの間にこんなに仲良くなったのかと目を丸めた。初めて入る教室で、1人馴染まない空気感に、思考がぼんやりとしてきたその時。
「⋯⋯ん？誰だ、お前」
背後から突然聞こえた第三者の声に、勢いよく振り向く。最初に見えたのはサンドベージュのベストで、私の目線の高さでは目が合わない程の大きな悪魔なのだとすぐに分かった。恐る恐る、上を見上げる。シャープな顎に、薄暗い師団室でも目立つ金の髪と、ギラリと光る眼鏡のレンズ。その奥に隠された深い青の瞳は、どこか獰猛さすら感じる。正しく、悪魔らしい悪魔。
心臓が、途端に大きく震えた。恐れからではない。それは正しく高揚だった。急速に思考が時間の渦を逆行し、記憶が瞼の裏にちらつく。ああ、もしかして。彼なのだろうか。私を変えるきっかけをくれた、あの悪魔。然程遠くもない過去に見た背中が重なる。
『……あの、あ……』
唇が震える。
『わた、私……私、この師団に入りにきました！』
えっ、と、両脇から驚くような声が上がった気がした。それもすぐに意識の隅へと追いやられる。私は、目の前の男子生徒に釘付けになっていた。
彼は白の広い目の中を丸めて、何度か瞬きをした。
「ほう、入団希望者か。随分とか弱そうな……ここがどんな場所か、分かっているのか？」
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いらお(プロフ) - お皿さん» ありがとうございます、はてなマークに笑っちゃいました（笑）応援とても嬉しいです、頑張ります！ (2023年3月2日 7時) (
レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
いらお(プロフ) - りうっこさん» 返信遅れて申し訳ありません。ありがとうございます、ストライク取れて光栄です！ゆっくりにはなるかと思いますが、更新した際にはぜひチェックしてやってください…！ (2023年3月2日 7時) (レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
お皿(プロフ) - 陰から応援してる者です...もう、本当に大好きです...ありがとうございます（泣）（？）これからも陰ながら応援させていただきます。頑張ってください!! (2023年3月1日 22時) (レス) @page27 id: 5bd738696b (このIDを非表示/違反報告)
りうっこ - ぶっ刺さりました。ドストライクです… 割と久しぶりの感覚かもです！更新めちゃくちゃ楽しみにしてるので、頑張ってください！！ (2023年2月3日 9時) (レス) @page26 id: 182708b139 (このIDを非表示/違反報告)
いらお(プロフ) - 明日花さん» コメントありがとうございます、すごい嬉しいです！拙い作品ではありますが、明日花さんの性癖に刺さったのでしたら光栄に思います。ゆったり更新してまいりますので、気が向いた時にでもまた本作品を読んでいただければ幸いです！ (2023年1月6日 22時) (レス) id: 6c40816166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いらお | 作成日時：2022年12月28日 16時
