【WT】白尾学園のお姫様【悪女主】 (ページ17)

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お姫様と最後の仕掛けページ17

昨日の事件のせいで吉祥寺愛海は完全に孤立した。流石にいじめられる程ではないけど、吉祥寺愛海が挨拶しても、皆気まずそうに挨拶を返すだけだった。部活前に起きた騒ぎだったから、部活づてに話が広がっていったんだろうなぁ。

いやぁー、ほんと…面白いくらい上手くいったな。

それでもまだ転校という選択肢は取らなかったんだ。なら、最後にとっておきの絶望をプレゼントしてあげようか。

今なら、吉祥寺愛海を絶望に突き落とせる。そう思って吉祥寺愛海とすれ違う瞬間、私はワザと階段を踏み外す。

「は…？」

「きゃあああぁぁ！」

わざとらしく悲鳴を上げて、階段から落ちる。あー、これ床に打ち付けられたら痛いだろうなー…。

「A！！」

…けれど、待機してた彼が私を受け止めてくれる。

「っ…大丈夫か、A…。」

「…シャークん、君…。」

シャークん君は私を受け止めたまま、吉祥寺愛海をギロリと睨む。

「あ…千雨、君…。」

「…お前、またAに手出したな？」

「ち、違っ…！私は何もしてない！！」

「何もしてない？どう見たってお前がAを突き落としたようにしか見えないだろ。」

「ほ、本当に違…！」

「それに、お前がAの髪の毛掴んだのも、Aのこと叩いたのも事実だろ。お前のことなんか今更信じられるかよ。」

目に見えて吉祥寺愛海は焦りだす。そうだよね、今回は私の自作自演だもん。でも、アナタのこと信頼できると思う？今回の件が私の自作自演でも、今までのことが積み重なって、もう嘘つきにしか見えないよ？次第に人が集まり始め、吉祥寺愛海に非難の視線が刺さる。

「また吉祥寺さん…？」

「階段から突き落とすとか…やばくない？」

「な、んで…違う、私、じゃ、私じゃないっ！！」

吉祥寺愛海はそう叫んで何処かへ逃げていった。吉祥寺愛海の姿が見えなくなったところで、シャークん君は、はぁ、と息を吐き出す。

「マジで焦る…。本当に大丈夫かよ、A…。」

「シャークん君が受け止めてくれたから大丈夫だよ。ありがとう。」

「それなら良いけど…このまま部室行く？」

「うん。改めて作戦練り直したいし。」

「りょーかい。」

体勢を立て直してくれるのかと思いきや、シャークん君は本当にそのまま私をお姫様抱っこした。

「シャ、シャークん君！？この体勢は…！」

「ん？このまま行く？って聞いたじゃん。」

このまま過ぎない！？

そんな訳で生徒達の好奇の目に晒されながら部室に辿り着いた。