44.言うことないわ ページ2
ひと口お茶を飲んで、もう一度深呼吸をする。
いやー、よくあるよな、寝起きにパニックになって関係ない人に変なこと喋ってまうこと。
実際俺はこれが初めてではなくて、そのせいで毎回俺の叫び声を聞いて駆けつけてきたショッピくんを困惑させているのだ。
海に住むありとあらゆる女性を誑かす人魚、空を悠々と駆ける金色の龍、見る者全てを石に変える大蛇。今まで見てきた夢の一部や。
どれも現実味があってちょっと怖いけど、後になって思い返すとなぜかそんなに悪い夢でもなかったと思うんよな。
「……エミさん？いや、あの人髪あるしな一応……」
「？」
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8月はあっという間に終わり、とうとう迎えてしまった新学期。
始業式早々に行われた学力テストも、有り余った夏休み期間を使って勉強に取り組んだお陰で(英語以外)好成績を叩き出した。
で、今はショッピくんを連れて学校にいるところだ。
本日最後の授業、総合。
担任が教室に入ってきた途端、ざわざわと雑談をしていたクラス内が一気に静まる。
「えー、前々からお知らせしていましたが！」
担任のその声に、おおっとノリの良い合いの手を入れる生徒達。
「そろそろこの時期ですよね！」
「そう、修学旅行です！！」
わああああ、と歓声が沸き起こる。
そう。なんと言っても今月は全国の学生にとって楽しみでたまらない(一部を除く)一大イベント、修学旅行がある月だ。
あの子と行けるかな、どこに行くのかな、何日から行くのかな……最近そんな声がそこら中で聞こえていた。
え、俺はどうなのかって？いや、何も言うことないで。マジノーコメント。
そもそもぼっちの俺に｢あの子｣とかいう定義ないし。
強いて言うならこの
あれ(41話参照)以来コイツ自分からこの国に残っとるから、もう確信犯なんよな。重罪やで。
とにかく俺にはショッピくんさえいれば班決めなんて……
「じゃあ今から班決めします！まずは行動班からね」
ああやっぱり無理や腹痛くなってきた。
「あ！その前に！！」
「颯真くん、あなた宛に手紙です」
……予想してなかった事態や。
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ハイド - 楽しく読ませていただきました！続き楽しみにしています！ (4月29日 8時) (
レス) @page30 id: 7c83359ee3 (このIDを非表示/違反報告)
カキ - マジあざす (2022年8月28日 11時) (レス) id: d29a1ef807 (このIDを非表示/違反報告)
れーれーれー - いつも読まさせていただいています！面白いので頑張ってください！……あと、お/り/ふ/ら立ってますよ！(ﾎﾞｿｯ) (2022年8月27日 17時) (レス) id: 1e793d26dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カキ x他1人 | 作成日時：2022年8月27日 16時
