53.知らない人について行くな ページ11
まずは落ち着こうと一息ついて、辺りを見回す。
滑り台には犬頭の子供、砂場には砂利まみれのスライム達。
そして晴れた空を小鳥…ではなく黄金の龍が悠々と泳いでいる。
うん、もうパニックになりそう。なんなん龍て、絶対都会にいちゃあかんやろ。
でもかっこええな、夢叶ったわ。俺一度でええからドラゴンに会いたかってん。厳密には東洋っぽいし見ただけやけど、命は大事にしよう。
脳内メモに密かに書かれていた目標の一つにチェックを付け、とりあえず気付かれないようにそっぽを……
「ん？」
視線を移した先に人がいた。
丁度その男もこちらを向いていたようで、バチリと目が……合ったのかこれ。
「こんにちは」
穏やかな表情で話しかけてくる知らない男性。目を瞑っているように見えるけど、前は見えているらしい。糸目ってやつか。
俺も会釈だけして返すと、失礼、とだけ言って彼はベンチに座ってきた。
「ええスキンやね、イケメンやん」
「…と、いや、これは…」
「！あっもしかして君……てことは……あー……そゆことか」
説明する前に何かを察したのか、暫くぶつぶつと呟いた後男はこちらに向き直った。
「君修学旅行生よな？ここ範囲外やけど…もしかして迷っとる？」
少し困ったように笑い、そう問いかけてくる彼。
イエスという意味を込めて頷くと、彼は納得したように立ち上がった。
「ついてきて、道教えたげるから」
────────
────
「ここのショートケーキ、おすすめやで」
糸目の男性…オスマン、と名乗る彼と共に公園を出て数分、俺達はなぜか喫茶店へ来ていた。
帰らせてくれるんじゃ？なんて図々しい発言はできるはずもなく、俺は次々とテーブルに運ばれてくる甘い物を死んだ目で見つめていた。
正直俺は甘味が苦手や。毎年バレンタインに山のように貰うチョコレートのせいである。
「うーん…やっぱ苦手やった？」
そういって苦笑いするオスマンさん。薄々気付いてたなら食わそうとしないでほしい。
しかし観察力高いな…と美味しそうにケーキを頬張る姿を見ていると、彼の胸に見覚えのあるバッジが付いているのに気が付いた。
ショッピくんのスキンと同じだ。今度のは歯車が深緑やけど。
「そのバッジ……」
「お、人間国の人なのに分かるん？」
「え、何を…？」
あれ違った？と首を傾げる彼。
「これね、我々国のシンボル。偉い人しか付けちゃいかんの」
「偉い人？」
「そ。幹部専用」
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ハイド - 楽しく読ませていただきました！続き楽しみにしています！ (4月29日 8時) (
レス) @page30 id: 7c83359ee3 (このIDを非表示/違反報告)
カキ - マジあざす (2022年8月28日 11時) (レス) id: d29a1ef807 (このIDを非表示/違反報告)
れーれーれー - いつも読まさせていただいています！面白いので頑張ってください！……あと、お/り/ふ/ら立ってますよ！(ﾎﾞｿｯ) (2022年8月27日 17時) (レス) id: 1e793d26dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カキ x他1人 | 作成日時：2022年8月27日 16時
