55.2個目 ページ13
何十メートルにも及ぶ胴体を持つ龍が、数多の腕でビルにしがみついてこちらを見下ろしていた。
どうやらオスマンさんと面識があるようで、周囲の驚きも気にせず2人は会話を続けている。
「…オホン。と言うわけで希くん、こちらシャオロン」
「どうも〜シャオロンで〜す」
シャオロンと呼ばれた龍は長い首を俺の元まで下ろし、平然と挨拶してきた。
すげぇ、ドラゴン(龍)と喋ってもうた…俺の脳内メモに刻んであったチェックは即座に花丸に塗り替えられた。
「えぇと、正直もう30分切ってて徒歩やとまずいので、ここからはこのシャオロンタクシーに運んでもらうことにします」
「ブタミンゴんとこやろ？ふーん任せろ、30秒あれば十分だぜ」
いやそんな早く着いても困るんやけど。
シャオロンさんはそれを見越してなのか暫く寄り道してくれるらしい。
彼の背中に乗る前に、オスマンさんにお礼を言った。
「色々ホンマにありがとうございました」
「道迷ってたんやってなお前！中3やってのに恥ずかしいなぁ」
そう言って邪悪な笑みを浮かべる彼にこら、と一喝するオスマンさん。俺この龍苦手や。
「じゃあそろそろ「あっちょっと待って！！」…？」
忘れてた、とばかりに彼は鞄から慌てて何かを取り出す。
出てきたのは緑の朱肉とそれをつけるであろうスタンプ。ん？それってもしかして…
「君んとこスタンプラリーやってたよな。しおり持ってへん？」
混乱しつつも言われるがままにしおりを取り出し、該当するページを開く。
オスマンさんはスタンプにインクを付け、そのまま何の躊躇もなく印を押した。
目を閉じた大蛇のマークで、ちょっと可愛い。
「え、ホンマに…？」
「うん。国主催って聞いたでしょ。これ幹部に会わんと貰えへんの」
鬼畜にも程があるやろ。
「……あ、このスタンプしんぺい神のか」
「え、誰？」
「ん？なーんも。まぁ、鬼畜なのにも訳があんねん。その分豪華商品が待ってるめぅ」
希くんならできるかも、と付け加えてきた。何の根拠があってそれを言った？
まあショッピくんが幹部やったって分かったし、アイツに頼んだら他の人の分もポンポン押してくれへんかな。
そこまで話したところで首根っこをシャオロンさんに優しくくわえられ、彼の背中に乗せられる。
「じゃあまたね」
オスマンさんに手を振られ、俺も素直に振り返す。
その瞬間龍の手が空を掴み、俺達は上空へと駆け昇っていった。
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ハイド - 楽しく読ませていただきました！続き楽しみにしています！ (4月29日 8時) (
レス) @page30 id: 7c83359ee3 (このIDを非表示/違反報告)
カキ - マジあざす (2022年8月28日 11時) (レス) id: d29a1ef807 (このIDを非表示/違反報告)
れーれーれー - いつも読まさせていただいています！面白いので頑張ってください！……あと、お/り/ふ/ら立ってますよ！(ﾎﾞｿｯ) (2022年8月27日 17時) (レス) id: 1e793d26dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カキ x他1人 | 作成日時：2022年8月27日 16時
