59.ゲーミングネイル ページ17
シャオロンの思い出話を聞いている間に随分と時間が経っていて、俺達はすぐに城から飛び立った。
ショッピくん、今頃ここで何してんのかな。聞きに行けばよかった…
ものの数分もすれば、見覚えのある豚のオブジェが見えてきた。
集合5分前なので、広場は沢山の生徒でごった返している。俺達は少し離れた所に降り立ち、徒歩で公園に着いた。
「いやー危ない危ない。時間も忘れて語りまくっちゃった…まぁ結果オーライやな！」
シャオロンは自身が被っていた赤いニット帽でパタパタ顔を扇いでいる。
暫くしてそれをかぶり直すと、彼はオーバーオールのポケットから何かを取り出した。
「はい紙出してー。生徒と話したらスタンプ押す約束やねん」
言われるがままにしおりを開き、そこにポンっと一つ。俺のスタンプシートに黄色いマークが追加された。
「ありがと…シャ、シャオロン」
「…っははは！どもりまでゾムそっくりやん」
余計なお世話や。
シャオロンと別れて自分のクラスの人だかりへ戻ると、班員に話しかけられた。
「お土産いっぱいじゃん。一応聞くけどスタンプ貰えた？」
俺はその質問をしてきた相手に無言で目配せをし、再びしおりを開く。
神木先生のチュートリアル(？)で貰った薄ピンクの神、緑の大蛇、それにさっき押されたばかりの黄色い龍がそこにある。
「えっ2つも！？てか黄色生乾きじゃん、何があったの！？」
興味深々な眼差しで見てくるもんやから、思わずシャオロンのいる方に指を指す。指された本人はにかっと笑ってこちらに手を振ってくれた。
すると俺の周りにいた奴らが一斉に立ち上がり、シャオロンに向かって駆け出していく。めっちゃ聞かれとったっぽい。
「…はぁ！？」
一人分の絶叫の後、沢山の悲鳴があがった。
人だかりの中心から突如黄金の龍の顔が現れ、物凄い勢いで空へと昇っていく。
「あ、逃げた」
「お前っ、驚かすなやゾム！！」
どこからか聞こえた咆哮に、俺はひひ、と笑みを漏らした。
────────
────
「危なかったー…」
遥か上空を飛び、シャオロンはため息を吐く。
レアスタンプ枠という自身の役割がダメになるところだった。全く笑えない。
しかし次の瞬間には彼はぶっと吹き出し大笑いしていた。
「…は、ホンマにアイツ…しょーもな！」
自身の立派な鍵爪が、一つ残らず虹色に塗られていたのだ。
未だに込み上げてくる笑いを堪えながら、黄色は城の方角へと消えていった。
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ハイド - 楽しく読ませていただきました！続き楽しみにしています！ (4月29日 8時) (
レス) @page30 id: 7c83359ee3 (このIDを非表示/違反報告)
カキ - マジあざす (2022年8月28日 11時) (レス) id: d29a1ef807 (このIDを非表示/違反報告)
れーれーれー - いつも読まさせていただいています！面白いので頑張ってください！……あと、お/り/ふ/ら立ってますよ！(ﾎﾞｿｯ) (2022年8月27日 17時) (レス) id: 1e793d26dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カキ x他1人 | 作成日時：2022年8月27日 16時
