60.おばけ ページ18
あれから案の定夜になってもショッピくんが帰ってこなかったせいで寂しい夕食時間を過ごしたものの、何故かクラスメイト達が豚カツやらハンバーグやらを色々くれたのでやっぱり楽しかった。
案外アイツなしでもやってけるかも…なんて思ったのは秘密である。
────
色々あって夜中の10時。消灯時間と言えば恋バナやけど、俺達の部屋でも例外なくその話題になった。ちなみに俺はさっきから何度も話題を振られてるけど頑なに断っとるで。
｢隣のクラスの伊藤個人的に美人だと思うんだけど｣
｢いや分かるぅー！なんか大人びてるっつーかな｣
あ、ショッピくんそいつのことあんま好きやない言うとったわ。
しかしあれだけ静かに喋れと牽制し合ってたのは何だったのか、部屋の外心配なるくらいうるせぇなこいつら。
｢…しもーし、誰か聞こえるかー｣
げ、やっぱり来た。
部屋のすぐ外で大人の声が聞こえ、俺はルームメートを見捨てて布団の中に潜り込んだ。
FPSガチ勢のクリアリング力、舐めてもらっちゃあ困るぜ。このまま一人で生き残……
｢じゃあアイツは？お前の隣の席の…｣
｢………いや別に｣｢絶対好きじゃん｣
あれ、皆ホンマに気付いてへんのかな。結構はっきり喋っとったで。
｢うーん…隣の部屋行くか｣
ほらもうすぐそこやん、秒でバレる距離におるって。てかこんな声の先生おったかな…
｢お邪魔しまーす｣
もう入ってくる。しかし、ドアの音はしなかった。
｢お、この部屋も恋バナか…基本どこも一緒やな｣
布団めくったら足が見えそうなくらい真横から声がした。それでもルームメート達の会話は止まらない。
そんでこの先生も注意せぇへんし、ホンマ何なん？
｢この子らも反応なし、と。ホンマにこん中おるんやろなアイツ……｣
何かを確かめるようにそう呟いた後、声の主は再び動き出した。
部屋の中で何が起きているのか。いてもたってもいられなくなって布団の空気穴から少しだけ外を覗くと、男はもう壁の向こうへ消えていくところだった。
いや待て先生ちゃうやん。てか人間ちゃうやん。
他種族か？なんで何もせずに出てったんやろ。
脳ミソをフル稼働させて推理する。
──自分と会話ができる奴を探していた？
──それも"こん中"…つまりここに泊まってる人間の中で、か…
｢(それってまさか──)｣
……いや考えんとこ、これ以上先は俺が眠れなくなる。
しかしあの声どっかで聞いたような…
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ハイド - 楽しく読ませていただきました！続き楽しみにしています！ (4月29日 8時) (
レス) @page30 id: 7c83359ee3 (このIDを非表示/違反報告)
カキ - マジあざす (2022年8月28日 11時) (レス) id: d29a1ef807 (このIDを非表示/違反報告)
れーれーれー - いつも読まさせていただいています！面白いので頑張ってください！……あと、お/り/ふ/ら立ってますよ！(ﾎﾞｿｯ) (2022年8月27日 17時) (レス) id: 1e793d26dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カキ x他1人 | 作成日時：2022年8月27日 16時
