45.匿名(意味なし) ページ3
「はい」
先生の呼び掛けに小声で返事をし、席を立つ。
若干裏返った気もするけど気にしたら負けや。
さっと封筒を貰い、小走りで席についた。
「中身、確認してください」
「今…？」
開けろと急かしてくるショッピくんの声がどこか浮ついている。そんなに中身が気になるのだろうか。
早速封筒の口をピリピリと破き、そっと中身を出した。
「手紙……となんやこれ」
中には文字が手書きで書かれた紙と、それよりもう一回り小さい紙。
小さい紙は割とカラフルで、どこかの都市が写っている。
手紙にはこう書いてあった。
"君がこの手紙を読んでいるということは、どうやら無事に家に着いたようですね。うーんホンマに良かった"
"さて本題に移りますが、僕はあの夜君に命を救われた身ということで今回改めてお礼をさせていただくことになりました"
「救われたって…これ大先生やん」
「ええから読み進めてください」
"聞くと今年の修学旅行で君の学校はこっちに来る上に、お金に困っているそうですね。なので君の旅行代金、僕が代わりに払っちゃいます！"
「ええっ！！」
思わずデカい声が漏れ、慌てて口を抑える。
俺の耳元でクスクス笑いが聞こえることから察するに、元々このクソ猫は知っていたのだろう。
"ええ、もう、完全に無償ですとも。オマケにお買い物券もあげちゃう！こっちに来たら好きに使ってください。
せっかくやから楽しんでね！ 匿名より"
手紙から目を離し、再び視線をカラフルな紙に移す。
これお買い物券やったんか。どうやら1万円分らしい。
で、また行くんかウィラスティア。盛大なネタバレを食らった気がする。
「……食いもん買い込んだろ」
「ちょっと、追伸ありますよ」「はぇ？」
ショッピくんに頬をぺちっと叩かれ、手紙の下の方を注意して読む。
すると彼の言う通り、続きがあった。
"追伸 僕の知り合いが君に会いたいそうです。良かったら会ったってな。それかこっちからお邪魔するかもしれへんから、何かあっても多めに見たってね"
「……」
大先生の知り合いって、やっぱり他種族やんな……
どんな人(？)達なんやろ。
「ゾムさん、ゾムさん」
「何や今度は」
「班決め始まってます」「えっ」
弾かれたように机から顔を上げる。
案の定、もう半分近くの奴らが複数の塊を作っていて各々楽しそうに駄弁り合っていた。
出遅れたんやけど。どうしてくれるん大先生。
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ハイド - 楽しく読ませていただきました！続き楽しみにしています！ (4月29日 8時) (
レス) @page30 id: 7c83359ee3 (このIDを非表示/違反報告)
カキ - マジあざす (2022年8月28日 11時) (レス) id: d29a1ef807 (このIDを非表示/違反報告)
れーれーれー - いつも読まさせていただいています！面白いので頑張ってください！……あと、お/り/ふ/ら立ってますよ！(ﾎﾞｿｯ) (2022年8月27日 17時) (レス) id: 1e793d26dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カキ x他1人 | 作成日時：2022年8月27日 16時
