63.どう考えても特別扱い ページ21
｢あ、忘れとった｣
次々と集まり始める生徒達を傍目に、トントンはすぐ近くにいた俺たちの担任に話しかける。
豚の頭という見慣れない姿に先生は一瞬ギクリとするもすぐに何かに気付いたように落ち着きを取り戻した。
そして少しの間何かを話し合った後、生徒達の注意を自分に集めさせた。
｢皆、しおりのスタンプラリーのページ出してー。ここで一つ押せるそうなので、欲しい子はこの方の前に並んでくださいね！｣
あー…うん、昨日の今日やし驚きはせんな。
どう考えても仕組まれてるだろ。
あっという間にトントンの周りに同級生達が集まり始め、ボケっとしていた俺は普通に出遅れた。
｢(うーわもう最後尾確定やん、並びたないわぁ)｣
そんな気持ちで集団を眺めていると、中学生達に群がられてある種の小山のようになっていた
あーはい分かりました。分かったよ、並ぶから。
──────
｢はい、君で最後な｣
スタンプラリーのページに、赤くて丸い豚さんの判子が追加された。
それにしてもこの人も我々国幹部だったとは。もしかして見張られてる？
見張ると言えば昨晩のあいつもここの一員だったりして。
｢(もしそうならもっと怪しくない方法で来て欲しいんやけど)｣
そう思いながら立ち去ろうとすると、後ろから小声でこんなことを言われた。
｢詳しくは言われへんけど俺からのお願いや。頑張って全部集める努力はしてみ｣
ギクリとして振り返ると、トントンは至極真面目な表情だった。
無理あるやろ。今までのも全部話しかけてくれたからやし。
我ながら肯定とも否定ともつかない曖昧な会釈をした後、俺は元いた場所へ戻った。
ショッピくんのこともあって贔屓してくれていたのかもと思うことも多々あったが、意外にもっと違う理由なのだろうか。
何のために、こんな特別扱いを？
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ハイド - 楽しく読ませていただきました！続き楽しみにしています！ (4月29日 8時) (
レス) @page30 id: 7c83359ee3 (このIDを非表示/違反報告)
カキ - マジあざす (2022年8月28日 11時) (レス) id: d29a1ef807 (このIDを非表示/違反報告)
れーれーれー - いつも読まさせていただいています！面白いので頑張ってください！……あと、お/り/ふ/ら立ってますよ！(ﾎﾞｿｯ) (2022年8月27日 17時) (レス) id: 1e793d26dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カキ x他1人 | 作成日時：2022年8月27日 16時
