65.あっ(察し) ページ23
一同は水族館のバックヤードに入り、とある部屋に移動した。
部屋の中には、水が張られた四角い大きな水槽のような穴が床にあるだけ。どうやらその穴が海に直接繋がっているらしい。
…あれ、俺達の他に何人かおる。誰やこの人ら。
｢あぁ、他校の生徒さん達と合同やで｣
俺達よりも先にいた同年代の集団を見て戸惑っていると、大先生がそう付け加えた。
全員人間に見えるけど、どうなんやろ。スキンの存在のせいで全く分からん。
各自錠剤を貰い(まだ飲むなと年を押された)、準備万端になった。
｢じゃあ僕から入るから、合図するまで誰も入らんといてな｣
そう言って大先生がよいしょ、と四角い穴の縁に座る。あ、飛び込まへんのや。
そうして静かにちゃぽん、と入水したきり、暫く何の音沙汰も無かった。
やばくね？スーツだったせい？とそろそろ周りがざわつき始める中、水面から誰かが顔を出した。
｢ぷはっ…みんなー僕やでー｣
｢｢｢(！！？！？)｣｣｣
いや、誰！？
大先生と瓜二つの顔をした人魚だった。違うのは、肌が浅黒くて青に近いというところだ。
いきなり人外丸出しの生物が現れて、他校の生徒を除く全員が飛び上がる。多分あの集団も他種族やな。
｢今から一人ずつ案内するから、呼ばれた人は薬を飲んで入ってきてなー。すぐ効くから息も大丈夫やで｣
ドン引きの
プライバシーの配慮の為か、皆変身後は必ず上半身に元の服を着ている状態だった。後の着脱は任意なようだ。
こっちの班からも何人か呼ばれ始め、俺は皆が人魚に変わる様子を固唾を飲んで見守った。
そしてトラブルは突然訪れる。
｢うわああ、めっちゃデカくなってる！｣
｢先生やばいって！！｣
他校の生徒が1人、常軌を逸してデカいサイズに変身し始めたのだ。どうりで見た目はクジラっぽかった。
｢大丈夫やよー、たまにおるから。ほら、縮み薬｣
手馴れた様子の大先生が、焦るクジラの生徒の口に錠剤を一粒押し込む。
それを飲み込むと、生徒の体はみるみる周りと同じくらいのサイズになった。ちゃんと救済措置もあったわ。
なんか大先生の手の中で薬が溶けててクッソ苦そうやったけど、まぁ大丈……
待てよ、残りの薬は？
もしやと思い水面をよく見ると、案の定白く濁っている。
｢…よし、次は君やで｣
────ごめん皆。俺見学やわ。
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ハイド - 楽しく読ませていただきました！続き楽しみにしています！ (4月29日 8時) (
レス) @page30 id: 7c83359ee3 (このIDを非表示/違反報告)
カキ - マジあざす (2022年8月28日 11時) (レス) id: d29a1ef807 (このIDを非表示/違反報告)
れーれーれー - いつも読まさせていただいています！面白いので頑張ってください！……あと、お/り/ふ/ら立ってますよ！(ﾎﾞｿｯ) (2022年8月27日 17時) (レス) id: 1e793d26dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カキ x他1人 | 作成日時：2022年8月27日 16時
