68.青鬼ごっこEasy ページ26
｢まぁ誰もおらんよな…｣
元いた部屋を覗いてみたが、やはり人どころか人魚の影すら見当たらない。
やっぱ自力で逃げ切るしかないか。水族館なら暗がりも多いしいけるやろ。
｢……〜い…ゾ……館内で走るなよ〜…｣
速っ！？もう追いつかれたんか？
でもまだ見つかってへんし、遠くにおるっぽい。俺は忍び足でバックヤードを出た。
──────
────
チャリン
ピッ
ガタン！
カシュッ
ゴクゴク……
…さて、わたくしゾムは今何をしているでしょうか。
正解は…
｢ぷはぁ…外国にも普通にファ○タあんねんな｣
水分補給でした。当たり前やんな、あんなに走ったんやし。
小学校ん時に
｢何やったんやろ、あのらだおとか言うやつ…｣
単なる人違いかな、拉致る標的の。じゃねぇと子供に紛れて水族館とか来んやろ、普通。
｢はぁ…はぁ……も〜全然見つからん……｣
｢！！｣
聞き覚えのある声がして、すぐにその場を離れる。
物陰に隠れて振り返ると、走り疲れた様子のらっだぁがたった今俺が使ったばかりの自販機の前で膝に手をついていた。
｢なんで逃げるんだよもぉ〜…鬼ごっこのつもりかぁ？｣
こちとらおじさんなんだぞ、なんて言いながら自販機に小銭を入れてボタンを押す。
｢ッかぁ〜〜、水うめェーーーー！！｣
ぐびぐびとペットボトルの半分の水を一気飲みし、バカでかい声でそう叫んだ。
めっちゃ美味そうに飲んどる。CMやってそう。
なんて思っていたら、急にらっだぁの体から煙が吹き出し始め、姿が見えなくなった。
｢(なんやあれ…？)｣
やがて煙が晴れると、そこにはさっきよりも身長が10cm程伸びた男子……いや、大人の男性がいた。青い髪の青ニット姿で、｢らだお｣の面影がある。
｢あ、薬切れた｣
｢(……マジで子供やなかった)｣
さっきまであんなのと一緒にのうのうと魚見てた自分が信じられへん。
あっという間に水を飲み干し、空のペットボトルを空中へと放るらっだぁ。それは見事に10m先のゴミ箱へ。
｢いくら青鬼相手だからっていきなりはズルいわ、うん。よし、じゃあ負けてもノーカンってことで｣
─────それでいいよな、ゾム？
｢え｣
今
らっだぁが
こっちを見た…？
｢じゃ、改めて｣
｢青鬼ごっこEasy(俺目線)スタートぉ｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハイド - 楽しく読ませていただきました！続き楽しみにしています！ (4月29日 8時) (
レス) @page30 id: 7c83359ee3 (このIDを非表示/違反報告)
カキ - マジあざす (2022年8月28日 11時) (レス) id: d29a1ef807 (このIDを非表示/違反報告)
れーれーれー - いつも読まさせていただいています！面白いので頑張ってください！……あと、お/り/ふ/ら立ってますよ！(ﾎﾞｿｯ) (2022年8月27日 17時) (レス) id: 1e793d26dd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カキ x他1人 | 作成日時：2022年8月27日 16時
