72.ちょっと倒れすぎでは ページ30
暫く水族館の外で3人で雑談していると、中から見覚えのある集団がぞろぞろと出てきた。
｢おぉロボロ……はともかくなんでだぁがここにおんの！？｣
｢らっだぁさんあだ名何個あんの？｣
｢えー知らん。好きに呼んでもらってるから｣
っていうか王がタメ口きかれててええんか…？
先頭にいた大先生がこっちへ来ると、後ろにいた俺の班員とも自動的に合流できた。
皆が口々に海の中の感想を話してる中で、大先生のもう一つの姿はシーラカンスの人魚だということが分かった。まさかの生きた化石。
大概珍しいやんけ…と絶句していると、大先生が俺とらっだぁの体を見て驚いていた。
｢ずぶ濡れやん、海飛び込んだん？｣
｢うんまぁ…色々あってん｣
｢風邪ひくとあかんで乾かしたるね｣
大先生が俺に手をかざすと、服が吸った大量の水分が水球へと変わって海へと弾き出された。つくづく便利やなぁ。
｢じゃあ皆体験してくれたお礼にスタンプあげちゃおっかな☆｣
大先生がそう言ってウィンクすると、班の女子達がキャーキャー騒ぎ出した。海の中で一体何があったんや…
今の間にロボロが歯茎を剥き出しにして大先生を睨みつけていたのが雑面の下から見えてしまったが、何も言わないでおくことにした。
で、結局俺もオマケという名義でスタンプをゲット。青い半目の亀のデザインだ。
そういえば…と隣を見下ろすと、知っていたとばかりにロボロから｢後でな｣と言われた。やっぱ持ってるんや。
──────
────
体験も終わり、今はホテル行きのバスに乗り込むところだ。
あの後すぐにロボロからスタンプを貰った。彼そっくりの雑面を付けたピンクの小鬼のようなデザインだった。ホンマにこのスタンプ何なん…
結局のところ俺ホンマに何しに来たんやって感じやけど、本物の青鬼とリアル鬼ごっこするというレアな体験ができたのでまぁ良しとする。
で、今その青鬼が目の前にいるわけやけど。
｢次会うまでに俺のこと思い出しといてよ。それか招待するからウチ来てよね！絶対来た方がいいから！だって俺が融通きかせたら全部無料だよ？タダ｣
流石にしつこい。ずっとこの調子やからイライラする。
というかさっきからこの人と目が合う度に頭痛がするような……
｢っ！？｣
次の瞬間、らっだぁの姿が二重に見えた。
｢おっ…フラフラじゃん、大丈夫？熱ある？｣
｢っは……｣
気付けば後ろに倒れそうになっていたのを、らっだぁに体ごと支えられていた。
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←71.てんこ盛りの名前
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハイド - 楽しく読ませていただきました！続き楽しみにしています！ (4月29日 8時) (
レス) @page30 id: 7c83359ee3 (このIDを非表示/違反報告)
カキ - マジあざす (2022年8月28日 11時) (レス) id: d29a1ef807 (このIDを非表示/違反報告)
れーれーれー - いつも読まさせていただいています！面白いので頑張ってください！……あと、お/り/ふ/ら立ってますよ！(ﾎﾞｿｯ) (2022年8月27日 17時) (レス) id: 1e793d26dd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カキ x他1人 | 作成日時：2022年8月27日 16時
