48.初めて見るに違いない ページ6
数週間後、いよいよ修学旅行の日がやって来た。
中学校からバスに揺られ、いつぞやの空港に着く。
俺のフードの中には例の如くショッピくん。彼も俺と一緒に行動してくれるそうで、どこかのタイミングで自分の職場にも顔を出すつもりらしい。
班の奴らとはそこそこ話せるけど、俺以外のメンバーが全員仲良し組で揃ってるのが不安や。
「向こう着いたら色々教えてな」
「え、俺そんな詳しくないっすよ」
空港内を列になって進みながらそれとなく雑談をする。たしかに観光地って地元民よりも観光客の方が詳しかったりするよな(偏見)。
旅のしおりには数ページに渡って空欄があって、クソほど面倒なことにそこに旅行の感想を書かなければならないらしい。
”旅行”やろ、なんで宿題なんて出されなあかんねん。俺には修学なんて文字見えへんぞ。
そうこうする内に保安検査場が見えてきて、俺達は続々とその列に並んだ。
やがて俺の番がやってくる。
「…ショッピくん、」
「OKっす」
彼に合図を送った直後、肩がふっと軽くなる。
リュックと上着(パーカー)を脱ぎ、それぞれトレーに乗せた。
金属探知機などをなどを掻い潜り、俺は見事保安検査を乗り切った。まぁ動物以外の不審物は持ち込んでへんけど。
そのまま出発ロビーにあるトイレへ駆け込み、誰もいないことを確認した後、1番手前の扉にノックを4回。
その直後、肩に若干の重みが戻ってきた。よし、ショッピくん回収成功。
この後も何事もなくやり過ごし、俺達は無事飛行機に乗り込んだ。
「な、な、しょ、ショッピくん見て？雲、くもくも！」
「…あんた飛行機怖いんやなかったっすか？」
飛行機離陸から数分。俺は1番後ろの席で静かにはしゃいでいた。
視界いっぱいの青。上だけやなくて、下まで真っ青。たまに白がもくもくと現れて面白い。
「もう慣れてん。うわぁこれ、全然飽きひんわ…」
「何でもいいっすけど、俺のスキンちゃんと持ってきました？」
大興奮で窓に張り付く俺をよそに、ショッピくんは相変わらずの無愛想な声で話しかけてくる。
「まさかトランクの…いや、家…？」
「大丈夫やってほら」
あまりにもしつこく問い詰めてくるので鬱陶しくなり、俺は自分のリュックから１つのバッジを取り出した。
紫色の歯車にペンがぶっ刺さり、そこから翼が生えたおかしなデザインのそれ。似たようなのをどっかで見たような……
いや、気のせいか。
俺は引き続き窓の外に目をやった。
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ハイド - 楽しく読ませていただきました！続き楽しみにしています！ (4月29日 8時) (
レス) @page30 id: 7c83359ee3 (このIDを非表示/違反報告)
カキ - マジあざす (2022年8月28日 11時) (レス) id: d29a1ef807 (このIDを非表示/違反報告)
れーれーれー - いつも読まさせていただいています！面白いので頑張ってください！……あと、お/り/ふ/ら立ってますよ！(ﾎﾞｿｯ) (2022年8月27日 17時) (レス) id: 1e793d26dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カキ x他1人 | 作成日時：2022年8月27日 16時
