52.初日から ページ10
広場を出て、旅のしおりを確認する。
ショッピくんはスキンで人型に変わっている。今回は前のような紫のジャケットは着ておらず、どこにでもいそうな大学生っぽい格好をしていた。
彼から見てもこの国の風景は数年見ないうちにすっかり変わってしまったらしく、お互い手探りの状態だ。
スタンプラリーに関しては地図はおろかヒントすらないので、この際考えないでおこう。
早速某ファストフード店でハンバーガーを買い、食べ歩きを始める。
「外国来てまでそんなん食って…」
「ええやんビッグ〇ック美味いし」
他にも色々買いながら街中を探索し、1時間も経てば両手に大きな紙袋を1つずつ持った状態になった。
お代は全部ショッピくんのおごりや。これで帰ってからも旅行気分を味わえるな。
次はどこへ行こうかと地図を見ていると、突然ショッピくんが耳に手を当てて何かをブツブツと呟きだした。
暫くすると用が済んだのか、こちらに向き直る。
「ちょっと連絡が入りまして…」
なんだか申し訳なさそうな顔でそう言う彼。なんと職場の上司から今すぐ来いと命令が下りたらしい。可哀想に。
「多分今日中には戻れないかもしれないんすけど、あんた1人でも行動できます？」
「えっ」
そんな長引くとは思わんかった。夜には帰ってくる、みたいなノリで受け取ってたんやけど。
「マジで言うてる？」
「マジです」
マジなんかぁ…と頭を抱える。
本音を言えば是が非でも引き止めたいところやけど、それはきっと迷惑になるだろう。大事な仕事とガキの相手、どっちが重要かなんて明白だ。
ここは大人しく彼を行かせることにした。
「ホンマすいません。じゃあ自分であの広場頑張って戻ってくださいね」
「おん、大丈夫やで」
近くのタクシー乗り場へと急ぐショッピくんの背を見送る。
さてと、現在地は……ああ、ここ地図の外や。ヘンゼルとグレーテルみたいに気になった店点々としてたらこうなったんやっけ。
……ええと。
いや、大丈夫や。だってさっきショッピくんに大丈夫って言ってまったし。
よし、来た道戻ろう。たしか向こうにあの店が…
────────
────
とある公園のベンチに腰掛け、盛大にため息をつく。ブタミンゴのとこよりもずっと小さい場所や。
◯クドを目印に探したのが悪かった。あのチェーン店どこにでもありやがって…
つまりは本格的に道に迷ったというわけだ。
「残り1時間半…」
…まあなんとかなるやろ。多分！
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ハイド - 楽しく読ませていただきました！続き楽しみにしています！ (4月29日 8時) (
レス) @page30 id: 7c83359ee3 (このIDを非表示/違反報告)
カキ - マジあざす (2022年8月28日 11時) (レス) id: d29a1ef807 (このIDを非表示/違反報告)
れーれーれー - いつも読まさせていただいています！面白いので頑張ってください！……あと、お/り/ふ/ら立ってますよ！(ﾎﾞｿｯ) (2022年8月27日 17時) (レス) id: 1e793d26dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カキ x他1人 | 作成日時：2022年8月27日 16時
